さよなら、宣伝会議賞。 〜last song for you...〜

「私のわがまま、許してくれてありがとう。幸せになります」

受け手がなにものであるか。

 

人生の半分は
無職です。

 

第52回宣伝会議賞のグランプリ。
こつこつ貯金することが、カッコイイと思えるアイデア

一切、企業側の「わたくしは何様です」という視点でメッセージが語られていない。

コピーを考えるうえで「何を伝えるか」ということを深堀して、時間をかけた末に見つかる「本質価値」
この本質価値をどう伝えるかという段階に移った時についつい、「わたくしは何様です。」という視点の言い方ばかり考えてしまう。

一方で生活者の目線で見てみると、やっぱり「お前が何様か知ったことか」と思う。

 

コピーを書く上で商品・サービスの本質価値を見つけてあげることは大事だけど、
それは生活者が知りたくて知りたくて仕方なかったこととは無関係だったりする。
そもそも生活者の目線は「自分の内側」に向けられているのでは?と考えると、

 

人生の半分は 無職です。

 

という生活者の内側から答えるような伝え方は正しいし見事だと思う。

 

課題自体が企業、ブランド、製品、サービスの価値を伝えてください、
という設定じゃなかったこともあるけれど、それとは関係なしに、
どの立場から物事を伝えるかという視点でもって「生活者の内側」から
「あたな様はなにものなのである」ということを問うてみる切り口は
非常に良いアプローチ方法なのではないだろうか。