さよなら、宣伝会議賞。 〜last song for you...〜

「私のわがまま、許してくれてありがとう。幸せになります」

当然の真実を直接的に投げかけて、疑問を生む。

第53回宣伝会議賞・協賛企業賞(エヌ・シー・エヌ)

家は、倒れてはいけない。


斎藤 貴美子さん

一般的な価値観からすれば「家は、倒れない」ものだと思うけれども、2011年や直近の熊本地震が脳裏をよぎると、「家は、倒れる」ものだとも思ってしまう、という社会的事件によってもたらされた常識の静かな更新をうまく捉えてそこに真正面から勝負を挑むパターン。

「そういえばそうだな(そういえば家って倒れるんだな、地震で)(そういえば地震で倒れる家と倒れない家があるな)」を狙って投げられていることは明確で、よくできた作品。

突くポイントがしっかり見えていれば、語り口自体はそれほどひねらなくてもしっかり届くと感じられる好例。

ただ、これ二次も通っていなくて、そういう意味でプロのコピーライターからすると「なにも言ってない」に感じられてる可能性があって、ちょっと調整する必要があるかも。どう調整するかはさておき。1行足すのかな。